2012年01月28日

解散・清算の税務

こういうご時世ですので、やむを得ず会社を清算されるケースや会社の再編に伴い子会社を清算されるケースもあるかと思います。

会社を解散する場合は、①解散決議(株主総会)、②資産の換価、債務の弁済又は免除、③残余財産の確定(残余財産が残った場合には株主に分配、④清算結了、という流れになりますが、実務上一番問題になるのが「期限経過欠損金を使用できるか」ということです。

期限経過欠損金(以下、「期限切れ欠損金」といいます)とは簡単に言うと7年間の繰越期間を経過した欠損金のことで、通常であれば所得との相殺ができません。しかし、ある要件を満たした場合にはこれを活用することができます。

その要件は条文によれば、「内国法人が解散した場合において、残余財産がないと見込まれるときは、その清算中に終了する事業年度(適用年度といいます)前の各事業年度において生じた欠損金額で政令で定めるものに相当する金額(=期限切れ欠損金)は、当該適用事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。」となっています。

つまり、残余財産がないと見込まれるときは、清算中に終了する事業年度前の各事業年度に生じた欠損金額は、青色欠損金だけでなく、期限切れ欠損金も使用できるということです。

平成22年度の税制改正により、会社を解散した場合の税制は普通の会社と同様に益金の額から損金の額を差し引いた額を所得として課税するという内容になっています。

会社を清算する際には会社の資産を売却して資産を換価するとともに、債務を弁済したり債務免除を受けたりするのですが、そうした債務免除益や資産の売却益(益金)などを欠損金(損金)でカバーできるかどうかが税務上の最大のポイントとなります。(カバーできないと税金が発生してしまいます。)

その意味で期限切れ欠損金を使用できるか否かが重要になるのです。

解散・清算の税務


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Posted by 税理士細川誠哉 at 09:05│Comments(0)税務
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