大手の価格動向から読み取れるもの
昨日の日銀の支店長会議で黒田総裁は、物価安定目標の実現に必要な場合には「量・質・金利の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる」をされました。
この発言の前提条件は「景気は基調として緩やかな回復を続けており、先行きも緩やかに拡大していく」というものでしたが、本当にそうでしょうか?
1日の日経新聞には「値下げの夏」の予感という記事が掲載され、良品計画やニトリなど、高付加価値商品で業績を伸ばしてきた企業が価格戦略を見直し、この夏以降、低価格帯に注力する方針を示していると紹介しています。
これは、消費低迷の長期化に加えて円高によって仕入価格が低下する可能性を受けたものであるとのことです。
また、少し前の話になりますが、売上が大幅に下落したことを背景にして吉野家がデフレの象徴とされた「豚丼」を4年ぶりに復活させたりと実はデフレから脱却できていないのではないかと思わせるような企業の価格動向が散見されます。
これらの記事から読み取れることは、少なくともこれらの企業の経営者は流れ(グレードの高い品質志向から価格重視の志向へ)が変わったと考えているということです。
私はアベノミクスは「これといった実態はなく単なるムードの演出である」と思っていますが、もしかすると将来のために解決しなければならない問題を先送りするという悪習慣がデフレの根源なのかもしれませんね。
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