2012年10月17日

役員貸付金の税務と銀行評価

中小企業の決算書には役員からの借入(役員借入金、通称「役借(ヤクガリ)」や役員への貸付(役員貸付金、通称「役貸(ヤクガシ)」に関する科目が記載されていることが多いですが、面倒なのは役員からの借入よりも役員への貸付の方です。

役員への貸付金の場合、利息をとる必要があるのですが、その利息は基本的(一部例外があります)には、

  ①借入金がある場合には借入金の利率と平均調達金利のいずれか低い方
  ②①以外の場合は前年11月30日の公定歩合+4%と平均調達金利(平成22~24年中の貸付の場合は4.3%)

となっています。

わずかばかりの利息で資金を貸し付ける場合もあるかと思いますが、この場合でも通常の利息相当額と上記により計算し差額を経済的利益と考え課税が行われます。

以上のような税務上の注意点もあるのですが、銀行対応を考えた場合、役員貸付金はマイナス評価になります。

役員貸付金が増加している状況で銀行に新規融資を申し込む場合を考えてみるとわかるのですが、銀行の立場から考えると仮に融資を行ったとしても役員個人の資金繰りに回るだけで返済できない(このような状況だとそもそも返済原資がわからない)のではないかと考えるからです。

また格付けの際には資産性に乏しいものとしてマイナス評価になりますので、そうしたマイナス面があることを理解しておいて下さい。


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Posted by 税理士細川誠哉 at 22:57│Comments(0)税務
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